糖質制限は何のために行うのかを正しく理解しよう
糖質制限とは
現代社会の食事における過剰な糖質摂取を制限することに着目した食事療法です。
糖質制限という言葉を聞いて、たとえ糖尿病でなくても、将来のメタボ予防のために、あるいは気になるお腹のぜい肉のために、毎日の食習慣から炭水化物(主食)を減らすようになった、そんな人は多いと思います。

これはもちろんよいことですが、本当は「ただ糖質だけを制限すればOK」というわけではありません。 また、安易に厳しい糖質制限を行って体調を悪くする人が、簡単にあきらめてしまうのもよくありません。
「やっぱり糖質制限なんてダメ」とあきらめてしまう人にも、糖質制限がどういうものか、それは何のために行うのか、どういう方法で行うべきなのかということを、きちんと理解して一緒に実践していければと思います。
私は「糖質制限」と「分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)」を組み合わせた外来診療を行っていて、日々それぞれの意味を患者さんに時間をかけて説明しています。正しく、継続して糖質制限を行い、ご自身の健康に寄与してもらうためには、その知識がとても大切です。
一例として「タンパク質を摂らないと脳の栄養失調になる」です。
糖質制限の外来をしていると、食事内容を尋ねるごとに飯・麺・パンを多く食べて、肉・魚・チーズなどのタンパク質をあまり食べてない人にしばしば遭遇します。私たちの心の動きをコントロールしている脳はさまざまなホルモンを作っています。規則正しく生活できるのも、毎日頑張れるのも、興奮を抑えて理性を保つのも、それぞれの脳内ホルモンがバランスよく脳で作られているからです。
脳内ホルモンが作れなくなると、うつやパニック症等のストレス性疾患が起こりやすくなってくるわけです。 脳内ホルモンを作る時に材料として、タンパク質、さらにビタミンB群や鉄なども使います。糖質だけを制限をし、タンパク質が不足してくると、脳の栄養不足が起こり、精神的に不安定になることも考えられるわけです。
糖質制限についてさらに詳しく知りたい方や、自分の場合はどんな食事(栄養素)が必要だろうと興味を持たれた方は、ぜひ福岡県田川郡川崎町の古川病院をご受診ください。