交通事故の治療について
交通事故の発生数は近年減少傾向にありましたが、コロナ禍以降、フードデリバリーの増加や電動キックボードの普及も進んでおり事故件数が増加しております。
当院では、交通事故にあった患者様のリハビリテーションを行なっており、患者様の身体的な苦痛に対し、患者様と国家資格を有する理学療法士がマンツーマン体制でしっかりと身体のケアを行なっております。

医師による診察・ 検査後、鎮痛剤・ 湿布などの処方、リハビリテーションの指示の元、治療を行ないます。
医師の診察では、問診、視診、レントゲンなどの検査を行い、症状の原因を精査し、治療方針の決定を行います。MRIなどの精密検査が必要と判断した場合は、専門機関と連携・紹介を行ないます。
物理療法は、低周波などの電気治療、ホットパックやマイクロ波などの温熱療法、牽引療法により、事故後の固くなった筋肉を緩める効果があります。
交通事故後の症状は、明らかな外傷、骨折以外に、炎症による首(頸部・むちうち)や腰の痛み、炎症後(数日後)に現れる首や腰の筋肉のこわばり、頭痛、手足のしびれ、吐き気などさまざまなものがあります。
また、日常生活の中で痛みのある部位をかばったり、痛みから逃れるために筋肉への過度な緊張や、普段とは違う姿勢をとってしまい、症状が悪化してしまうことがあります。
そして、事故直後から適正な治療をしていないと後遺症として残ってしまうこともあります。事故後早期より適正な治療を適正な回数(週2~4回)で行うことにより、その後の後遺症を防ぐことができます。
医療機関では医師による定期的な診察を行ない、病状、症状を把握した上で、理学療法士によるマンツーマンの徒手療法などを患者様の症状に合わせて治療を行ない、後遺症を残さないことが大切だと思います。
理学療法士による徒手療法は、個々の患者様のライフスタイルに合わせて、理学療法士がストレッチや日常生活での負担の少ない身体の使い方などのアドバイス、注意点などを指導させていただきます。
事故後治療を受けるための流れ
事故後、先ず警察、ご自分の加入されている保険会社に連絡してください。
外傷や、痛み、しびれなどの症状があれば医療機関を受診し、診断書の発行を受けます。
追突事故などの被害者でご自身の過失割合がゼロの場合、受診された医療機関に加害者の加入する保険会社から治療費負担の連絡があれば、その後は、患者様は原則自己負担なしでの治療が受けられます。

治療費について
治療費は、ほとんどの場合、事故の加害者が加入する自賠責保険と任意保険でまかなわれます。
当院から相手方の保険会社に請求を行いますので、患者様の当院受付窓口での自己負担は原則ありません。ただし、患者様の過失が大きい場合などは、事故の相手の方が入っている自動車保険ではまかなわれないことがあります。
治癒期間は患者様のケガや症状の程度にもよりますが、骨折、神経症状などがない頸椎捻挫(むちうち)でおおむね3~6か月程度です。適切な治療を適切な期間、頻度で行っても、ある程度症状が改善した後、それ以上症状が改善されないことがあります。これを「症状固定」といい、法律上、その状態で「治癒」となります。
その後は、交通事故による後遺症障害認定を受けるために、後遺症診断書が必要となりますが、その際は、専門機関へ紹介を行ないます。
なお、自動車保険での治療終了後においても、残った慢性疼痛などの症状に対して、それまでと同じようにご自分の健康保険にて治療は継続できます。